ベトナム旅行記 3
ベトナム旅行 9月6日 ハロン湾クルーズ
9月6日 ベトナム旅行のハイライト、ハロン湾クルーズの日。朝07:00手配しておいた車にアンちゃんとアィンさんが乗ってむかえにきました。海の桂林といわれる風光明美なハロン湾へ出発です。有料道路といってもハノイを出てしばらくすると分離帯はなくなり分離線だけになります。そこを猛スピードではしるのです。しかもバイク、自転車、リヤカーも全部一緒、さらには一部で道路工事が進行中、住宅が建設ちゅうだったり肝の冷える思いをしましたが、発展途上国の勢いを身近に感じました。しかしクレーン、ショベルカーなどの重機類が不足しているのがよく分かりました。
ハロン湾に近づくと、そこは猛烈なホテル建設ラッシュでした。美しいハロン湾は、最近ユネスコの世界遺産に指定されたとききました。数年さきが思いやられます。湾につくと波止場で政府に入湾税(?)を払い、それから船を借りる交渉をします。船頭、料理人つきの1艘(20人乗り)を6時間かりました。車の運転手を含めて5人が乗り込んで湾に出ます。大小2000ものお椀を伏せたような島々が七重八重に散らばってハロン湾を形成しています。鏡のような水面を進みながら島の間を縫うように遊覧しました。
1艘の漁船が近づいてきました。綱のさきをひょいとこちらの船のくいにかけて小さな梯子を渡すと、こちらからアィンさんがむこうの船に降りていって船のいけすから魚を取り上げて商談がはじまりました。随分長い間あれこれと言っていましたが交渉不成立、アィンさんは高いから駄目だといって戻ってきました。
島のなかには何百年も前に発見された大鍾乳洞があります。漁師が発見して以来長い間、戦いの砦として、また海のまつりごとの場として住民に大切に守られてきた所でした。もうひとつは、10年ぐらい前に発見されたばかりで、壮大な洞内は気が遠くなるほど高く、ライトアップで輝く大宮殿そのものでした。高さ広さともにそのスケールの大きさに圧倒されました。まだ未発見の鍾乳洞がありうるとのことでした。見学のため2箇所で一時間ほど船からおりました。
また漁船が近づいてきました。こんどは商談成立、たくさん仕入れてすぐに料理人にさばいてもらいました。やがてエビ、カニ、バードフィッシュなどと波止場で買ってきた野菜もあわせて料理してもらって、船上の大宴会がはじまりました。大皿がつぎつぎに運ばれてきてビールも飲み放題、心地よい船のゆれと海風、南国の青空と白い雲、遠く近くに浮かぶ島々、時間が止まったようなひとときでした。
若い二人はへさきで海に向かって寄り添っていました。運転手は顔に本を、のせて寝てしまいました。私は景色を見あきて、リュックを枕にねそべってうつらうつらしてハット目が覚めたらまだ海の上でした。夫も午睡ちゅう。ようやく日が傾いて夕日が島影に落ちるころ波止場に戻りはじめました。鏡のような海面に金色のさざなみがきらめく素晴らしいサンセットでした。またあわただしく時計が動きはじめて、猛スピードに肝をひやしながら無事ハノイに戻りつきました。