ネットインタビュー (12)
--- 国際級模型飛行機の滞空競技 ---
KDD無線部門の大先輩、伝送施設部で上司だった織間さんに、今回、模型飛行機のお話を伺いました。国際的な大会にまで出場なさる趣味ですから驚きです。織間さんはゴルフも名人でいらっしゃいます。気さくなお人柄ですが仕事熱心。かなり怖い上司でしたが、模型飛行機とはチョッと似合わないような。
(聞き手: 佐藤 敏雄)
Q1. 模型飛行機とは、織間さんにはチョッとそぐわないような
感じですが、どんないきさつで始められたのでしょう
小学生の頃、父に買ってもらったゴム動力の模型飛行機が良く飛び、はまりました。中学3年の頃には本物のグライダーのクラブに所属し、実際に飛んだものです。またガソリンエンジン機も作りましたが、重くて飛びませんでした。その後は戦争も激しくなり、進学等もあってお休みとなりました。
Q2. KDD時代に花開いたのですね
KDDに入社し、昭和28年、福岡受信所に配属されました。同好者が多く、模型飛行機のクラブが作られ競技会が開催されました。国内級のゴム動力機(被覆胴体で総重量170g以下)で昭和31年、32年と受信所主催の大会で優勝し、昭和32年には狭山湖で開催された読売新聞社主催の大会で優勝しました。その頃、国際級のゴム動力機も作りましたが、良く飛び過ぎ、練習2回目の飛行で雲のかなたに消えてしまいました。
Q3. 国際級・国内級とはどんなものですか
模型飛行機は、ラジコンを使用するか使用しないかに分かれます。ラジコンを使用しないものは、フリーフライトと呼ばれます。国際級は国内級に比べ、製作も競技も複雑で難しいです。
国際級のアウトドア種目には F1A、F1B、F1C というクラスがあります。F1A は、翼面積 0.32〜0.34 m2、機体重量 410g 以上で長さ 50m 以下の曳航索を使用するグライダー、F1Bは、ゴム動力機で、翼面積 0.17〜0.19 m2、機体重量 200g以上、動力ゴムの重量 30g以下のもの、F1Cはエンジン機です。
一方、インドア種目には F1D (ゴム動力機)があり、またアウトドアのジュニヤタイプとして F1H(グライダー)、F1G (ゴム動力)、F1J(エンジン)等があります。
これらのうち、F1A、F1B、F1C は、同一グループで他より歴史が古く、世界的に権威が高く愛好者が多いのです。私は F1B つまりゴム動力機をやっています。
感じですが、どんないきさつで始められたのでしょう
国際級のアウトドア種目には F1A、F1B、F1C というクラスがあります。F1A は、翼面積 0.32〜0.34 m2、機体重量 410g 以上で長さ 50m 以下の曳航索を使用するグライダー、F1Bは、ゴム動力機で、翼面積 0.17〜0.19 m2、機体重量 200g以上、動力ゴムの重量 30g以下のもの、F1Cはエンジン機です。
一方、インドア種目には F1D (ゴム動力機)があり、またアウトドアのジュニヤタイプとして F1H(グライダー)、F1G (ゴム動力)、F1J(エンジン)等があります。
これらのうち、F1A、F1B、F1C は、同一グループで他より歴史が古く、世界的に権威が高く愛好者が多いのです。私は F1B つまりゴム動力機をやっています。
Q4. 本社に移っても続けられたのですね
本社に移ってからは忙しく、模型はお休みしていました。ところが1981年、京都であった国際デジタル衛星通信会議の後で体調を崩し、一ヶ月間病休となってしまいましたが、この機会に国際級を作り競技に復帰しました。しかし成績は中頃でイマイチでした。当時KDDでは、森谷さん、出口さん、並木さん、牛島さん、薄木さん、清水さん達6人程の方がやっておられました。森谷さんはまとめ役、出口さんと並木さんは後に日本選手権等で活躍されました。
Q5. 競技の方法についてお話ください
発航(飛ばすこと)は、機体を手で槍投げの要領で天に向かって投げるのです。ゴムは、巻いてから機体に入れます。プロベラは、手を離して0.2秒くらい後に回り始めるようになっています。約40秒で100mくらい揚がり、そのあとは滑空します。
各ラウンドの持ち時間は約18分。選手はその時間の範囲で気流の良い時を選んで飛ばします。気流は自作した高感度温度計並びに風速計のデータで判断します。温度、風速のセンサーは、3mのポールの上に設置してあります。模型は通常700m程度、風があると1km程度流されますので、ラジオロケーター、ポケナビで追尾し、バイクで追いかけます。私は、50ccのバイクを使っています。回収は負担が大きいので、競技会では若い人に頼んでいます。
Q6. ご自慢の愛機をご紹介下さい
F1Bの動力は、ゴムです。機体の材料は、ケプラー、カーボン繊維、ジュラルミン、植物繊維を含んだポリエステル被覆材が主体で、バルサ(軽い木)は、極く僅か使っています。以前は、自分自身でこれらの材料を固めたり削ったりして機体を作っていました。最近ではロケットで有名ウクライナ、ロシヤ等で部品を作っていますのでメールで買っています。プロペラは、ゴムのトルクの強弱でピッチが自動的に変化する可変ピッチプロペラを使用しています。糸ゴムは、米国から性能の良いものを選んで買っています。情報集めと交渉にEメールが大変役に立ちます。
Q7. 大きな大会で優勝されていますね
日本選手権者証とメダル
受賞
KDD退職後は、趣味を模型にしぼり集中しました。各クラブ主催の大会で上位に入るようになり、平成9年に日本模型航空連盟主催の競技会で、国際級F1Bの種目で優勝しました。 平成12年には、同連盟主催の日本選手権で同じ種目で優勝し、日本航空協会から日本選手権者証を頂きました。
Q8. これからの抱負などお聞かせ下さい
2001年には、米国カルフォルニヤ州ロストヒルズで開催された世界選手権に日本代表で参加しましたが、メカトラブルで成績は劣悪でした。平成17年の日本選手権では、飛行中の機体が大きな建物の後ろに入ったため計時がストップされ、6位となってしまいました。今後は、体力の続く限り競技に参加し、気流の測定、發航の判断、機体の改善等、勝つための要素を研究したいと思っています。
編集後記 あの無線の大家の織間さんが、元気溌剌、模型飛行機を飛ばしておいでの姿は、あたかも少年のようで、想像するだに楽しいものがあります。これからもどんどん飛ばし、世界選手権の優勝トロフィーなど見せてください。(佐藤 敏雄)