ベルリンの散歩道
原画:油彩 F20号
数年前の12月、親しい知人夫妻に同行し、ベルリンに10日間くらい滞在したことがある。その時 いろいろな場所を案内してもらったが、私が一番気に入ったのはシャルロッテンブルグ宮殿の裏庭だった。知人の車でそこまで連れて行ってもらい、一人降りてスケッチをしたり、長い時間散歩をしたりして、夕方また迎えにきてもらうということを何度か繰り返した。従って、この絵の景色は今でもとても懐かしい。
頬に感じられた心地よい冷たい空気、殆ど葉を落とした木立、散歩している人も犬も、自由にしんみりと自分の心に向き合っているような気がした。そして あの時、私自身も落ち着いて何かを一所懸命考えていた。私にとっては、ベルリンは冬が似合う都会のように感じられる。
大谷 恭子