- 左利きの人への想い -
 
 忘年会の季節に突入しました。色々な団体に属してる方々は、多々ある日程回数をこなすのは会費よりも自分の胃腸にお伺いを立てながらのご参加でしょうか。私の場合、以前は誘われるままに「ハイ、ハイ」と全ての忘年会に時間差攻撃で顔を出していたら、お酒とツマミの日々に栄養失調となり、ついにヘンな咳をしていた同期にしっかりインフルエンザをうつされたという経験者です。
 さて、そんな宴席ですがたまたま、近くに座った人のあることに気がつくと私は胸がキュンとなります。それは相手が左利きだと察知した瞬間です。若かりし頃に大ヒット曲「私の彼は左利き」が頭の中に流れてきてなぜだか、切なくなります。
 「あなたの真似してみるけれど、私の右きき直せない、意地悪意地悪なの♪」の歌詞の部分は、特に忘れられません。最近、そんな私の想いを飲み会で吐露したところ、この歌を知らない世代の男性連中が飲み会終盤には皆、箸を左手に持ち代えていましたっけ・・・。
 ちなみに、私の回りに左利きの家族や親戚はいません。しいて言えば娘が幼稚園の頃に半年だけ左利きになったのは、狭い家の中でバク転をして右手を机の角にぶつけて尺骨を折ったときでした。
 火のように泣いたあと翌日から三角巾で右手を吊るしての生活が始まったのですが、娘は何事も無かったかのように、左手でラーメンをすくい上げ食べ始めました。このときばかりは、この子に「誰の血なんだ!もしやお祖父ちゃんの不死身の海軍サバイバル精神か」と思い浮かべました。しかし、固定された右手をテコにして、ジャングルジムの頂上に上がったところを園長先生に目撃され、「危ないことはやめるように」と怒られたときは、私のサル年の血も脈々と受け継がれているなと納得しました。
(レポート:町田香子)