2019年4月号
新緑の頃
 
 なんとか冬を超え、寒々と朽ちていた我が家の庭にも、柿の木には黄緑の新緑が、ほったらかしの君子蘭にも新芽が顔を出し、今や、確実に命の息吹が感じられる「陽春」の季節となりました。
 この時期に少々肌寒くても、自作の「明るい緑色のスーツ」を着て会合に出ると何人かに「わあー、春色ね!」と声を掛けられます。寒くて出不精だった冬を色にたとえるならグレイ、それが移り変わった春の色は桜のピンクや新緑のイエローグリーンとなり、目に鮮やかに飛び込んでくるからかなと思います。
 思えば四季折々の移ろいに、身も心もワクワクする日本人の気持ちは、神代の昔から現在に至るまで脈々と歌や詩にたくさん詠まれている気がします。おりしも、新元号に関連した、我が国の古典「万葉集」が、ヒットし過ぎて売り切れとか・・・。きっと、この季節に一人、万葉集を片手に喫茶店で、または書斎でひっそりと昔の姫やお殿様に気持ちを馳せるのはロマンチックで、現実の高価な旅よりも甘美で夢をみるような想いにいざなわれるのかもしれません。
 ちなみに「万葉」をヤッフーで調べてみると、まず最初に出てきたのが「湯処 万葉の湯 町田」でした。なんということでしょうか、一瞬「まちだスマホレポート」の内容がうちの広くもないパソコン部屋からどこかにダダ漏れかと思いきや、小見出しを読んでみると「万葉集に詠まれた名湯、湯河原温泉を東京(町田市)にいながらにして味わえる、まさに都会の温泉郷」ということでした。そういえばK-unetのパソコン研修会も町田で開催されることもあり、これもご縁です。今度の研修会の折にでも「万葉の湯」とやらに浸かりながら、1泊の奈良・万葉の里の旅を頭に描いた次第です。
(レポート:町田香子)